セキュリティソフトの国内シェアを表す2022年BCN AWARDによると、14年連続1位だったウイルスバスター(トレンドマイクロ社)が2位に陥落しました。
1位はノートン。前年シェア18%から34%に爆上がりしてます。
ここまで長い期間ウイルスバスターが1位を守ってきましたが、なぜ2位に落ちてしまったのか。
そんな疑問を調査しました。暇な人は見てってください。
- セキュリティソフトの日本シェア
- ノートンがお出迎え
- ノートンがウイルスバスターより安い・・・!?
- 初心者に優しいカタログなど
- ノートンがセキュリティソフト日本国内シェア1位を奪還した理由
セキュリティソフトの日本シェア
セキュリティソフトの日本国内シェアを示すBCN AWARDによると、2022年の結果は以下の通り。
セキュリティソフトの国内シェア率【2022年】
- 1位:34.0% ノートンライフロック
- 2位:31.2% Trend Micro, Inc.(ウイルスバスター)
- 3位:11.7% ソースネクスト
出典:BCN AWARD
この3社が20年近くTOP3を争ってます。
2021年まで13年連続でTrend Micro, Inc.が1位でした。
が、その座をノートンライフロックが奪還した形です。
なぜ、ノートンが1位を奪還できたのか。その理由を探っていきます。
ノートンがお出迎え
2022年某日、平日の昼過ぎ。
調査およびロイヤルホストでごはんを食べるミッションのため、とある駅ビル6Fビックカメラのパソコンフロアへ。
黄色い・・・!!
ノートンがお出迎え。一番いいところに鎮座しています。
そう。セキュリティソフトのコーナーです。というより、ノートンコーナーだこれ。
「おすすめベスト3」とありますが、1位ノートン3年版、2位ノートン1年版。
同じソフトだし!実質ベスト2!!
しかも3位はインドのK7ComputingのOEM製品、ソースネクスト社のZEROウイルスセキュリティ。
当サイトでは、ロシア情勢のカスペルスキーの件もあり、ZEROウイルスセキュリティはあまりおすすめしてません。安いんですけどね。
⇒【国産なんて】総合セキュリティソフトに日本製が無かった件【無かった】(参考)
こんな「出会って2秒でノートン」的な陳列されれば、まずは手に取ってしまいますよね。
どうやら、そもそも陳列や広告ポップがノートン推しだったわけですね。
ベスト3の中には、ウイルスバスターのバの字も入ってませんから。
ノートンがウイルスバスターより安い・・・!?
吸い寄せられるようにノートンコーナー、セキュリティソフトコーナーへ。
「相変わらずネットより高い価格で売ってんな~」と感心しながら見ていたら。
そこで2つ目のノートン爆上がりの理由をみつけました。
ノートンの方がウイルスバスターより安い・・!?
良く見ると、ノートンの方は同時購入版。
パソコンと同時購入するときのみ買えるパッケージ版のことで、通常価格より安いんです。
中身は同じなんですけどね。
家電量販店では、パソコンと一緒じゃないと同時購入版を買えませんが、Amazonやヤフーショッピングなら単体で購入できます。もちろん、通常版より安いです。
ノートンとウイルスバスターを最安値で買うには、この同時購入版をECサイトで買う方法が多分一番安いです。詳細は以下の記事でも解説してます。
⇒【2022最新】ノートン360の価格比較!お得な値段で購入する方法
⇒【2022】ウイルスバスターの価格比較!お得な値段で購入する方法
ともあれ、ならウイルスバスターの同時購入版は…って探したんですが…無かったです。
取り扱ってないんですかね。上の図の右側ですが、全部通常版のパッケージでした。
そりゃこんな形で並べられたら、安く見えるノートンを手に取ってしまうかもしれませんね。
そうです。2つ目の理由は「価格もノートン推しだった」です。
正確には、ノートンが安く見えるよう陳列されていた、ということですね。
ウイルスバスタークラウド+デジタルライフサポート3年版なんて20,680円ですよ。
公式19,680円より高いってどういうことなの、と。
売る気が感じられない。
初心者に優しいカタログなど
ノートンはいくつかラインナップがありますが、こんなカタログがついてました。
小さくても持ちやすく、中身も分かりやすい。ラインナップそれぞれのカタログが作られてます。
現場猫の飼い主みたいなキャラクターも良き。
一方のウイルスバスター。1種類のみ。さみしいですね。
あと、写真に納められなかったのですが、パソコンコーナーにもノートンが点在していました。
これが結構キモかもしれません。ノートンを一緒に買わせるためですね。
ウイルスバスターや他のソフトの影はありません。ノートンのみ。
陳列戦略がよく伝わり、ノートンが1位になるのも当然という感じでした。
ノートンがセキュリティソフト日本国内シェア1位を奪還した理由
まとめると。
- ノートンが出迎えてくれるかのような陳列
- ノートンが安く見える価格の見せ方
- パソコンとのセット販売強化やカタログなどのサポート
これらが積み重なって、たった1年という短い期間でウイルスバスターを抜き去ったのでしょう。
ビックカメラがノートン推しなら、他の家電量販店は?
ビックカメラがノートン推しなだけで、他の家電量販店は違うんじゃないか?
そう思って、ヤマダ電機、ヨドバシカメラ、ノジマに足を運んでみました。
結果。
・ヤマダ電機⇒ノートンとウイルスバスターの同時推し
・ヨドバシカメラ⇒ウイルスバスター推し
・ノジマ⇒マカフィー推し
たまたま足を運んだ店がそうだっただけかもしれませんが、綺麗にばらけてました。
少なくとも、ノートンとウイルスバスターを前面に取り扱うお店が多かったです。
この2つがBCNランキングで競い合うのは、家電量販店の陳列が影響してることは確かです。
BCN AWARD=国内シェアの順位ではない!
ところで、そもそも論の話。
国内シェアといえばBCN AWARDを解説してるサイトが散見されますが、BCN AWARDは家電量販店のPOSデータのみを対象とした統計です。
Amazonや楽天などのECサイト、公式サイトからの購入は含まれていません。
上図は、価格ドットコムの「セキュリティソフト利用状況調査」の報告の一部です。
家電量販店のチャネルとしての国内シェアは、およそ12%くらいと言われています。
したがって、BCN AWARDは国内シェアというより、単なる「家電量販店調べの売上ランキング」です。
では、国内シェアはどう見るんだ、という話ですが、現時点で正確な統計はありません。
やれるとしたら、各ECサイトの売り上げランキングから推しはかるくらいしか無いでしょう。
一応、推し量った結果は以下です。一時点の集計データですが、比較的ESETが人気ですね。
順位 | Amazon | 楽天 | 価格ドットコム | Yahooショッピング |
---|---|---|---|---|
1位 | ESET | ノートン | ESET | ESET |
2位 | ソースネクスト | トレンドマイクロ | ノートン | ノートン |
3位 | カスペルスキー | ESET | トレンドマイクロ | トレンドマイクロ |
楽天:楽天ランキング(週間)
価格ドットコム:ダウンロード販売版のセキュリティソフト 人気売れ筋ランキング
Yahoo:セキュリティソフト(コード販売)ランキング
さいごに
平日の昼下がり。突如黄色い箱(ノートン)に囲まれてしまいました。
陳列棚の戦略ってすごいですね。
あんな並べ方されたら、やっぱノートン買っちゃいます。そりゃ1位になるよねって話でした。