【国産なんて】総合セキュリティソフトに日本製が無かった件【無かった】

【国産なんて】総合セキュリティソフトに日本製が無かった件【無かった】 セキュリティソフト

「カスペルスキー使ってたけど、悪い噂が絶えなくて心配。日本製・国産のセキュリティソフトに乗り換えたいな~。おすすめのウイルス対策ソフトは何かな~」

本記事は、こんな疑問に答えます。

同じことを私も考え、探しました。

先に結論を言ってしまうと

そんなものはない

無いんですよ。これが。

純日本製の総合セキュリティソフトは。

では、詳しく以下の内容で解説していきます。

本記事の主な内容
  • セキュリティソフトの国籍を調べてみた
  • トレンドマイクロ「国産セキュリティソフトと言っていたな。あれは嘘だ。」
  • ZEROスーパーセキュリティの盾は借り物
  • 逆に、やめた方がいいセキュリティソフトは?
この記事を書いた人

現役セキュリティ専門コンサル。資格:公認情報セキュリティマネージャ、公認情報システム監査人など。専門的なことも分かりやすく解説し、疑問が解消する記事を心がけます!

セキュリティソフトの国籍を調べてみた

メーカー
トレンドマイクロ日本
ソースネクスト日本
マイクロソフトアメリカ合衆国
ノートンライフロックアメリカ合衆国
McAfeeアメリカ合衆国
Malwarebytesアメリカ合衆国
VIPREアメリカ合衆国
total defenceアメリカ合衆国
TOTAL AVイギリス
メーカー
Pandaスペイン
Aviraドイツ
GDATAドイツ
Avastチェコ共和国
ESETスロバキア共和国
Bitdefenderルーマニア
カスペルスキーロシア連邦
KINGSOFT中国
K7Computingインド

上の通り(一部ソフト名で記載)。「国」列は、本社が設置される国を記載してます。

対象ソフトの条件は「総合セキュリティソフト」かつ「第3者機関AV-Comparative承認済み」です。

総合セキュリティソフトとは

ウイルススキャンやWeb保護、迷惑メール対策など様々な機能が入った皆さんが連想するセキュリティソフト・ウイルス対策ソフトのこと。有名なのは、ノートン360やウイルスバスタークラウド、マカフィーリブセーフなど。

「お、日本のソフトあるじゃん」って思ったかもしれませんが、国産とは違いました。

トレンドマイクロ「国産セキュリティソフトと言ったな。あれは嘘だ。」

トレンドマイクロ「国産セキュリティソフトと言ったな。あれは嘘だ。」

2010年頃まで、トレンドマイクロは自分で「国産」を強調していました。が、ひっそりと「国産」謳い文句は消えてしまったようです。(参考記事

さみしいですね。一方的に振られたみたいで。

その理由は、開発拠点とデータセンタの拠点を見ればわかります。

開発拠点は世界中に存在

トレンドマイクロの開発拠点は世界中

トレンドマイクロの本社は日本の渋谷ですが、開発拠点は世界中にあります。
拡大に伴い、もはや市場は日本だけじゃなくなったんです。

最近では、ヒューレットパッカードから侵入防止システム部門買収(2015年)、ネットワークセキュリティの台湾企業を買収(2013年)。

今のセキュリティソフト業界は、吸収合併を重ねた結果、世界中に開発拠点を持つ多国籍企業であることが一般的になりつつあります。

セキュリティソフトに国籍は無い、といった方がもう正しいかもしれません。

データセンターも世界中

データセンターも世界中

データセンターがどの国に置かれているか、という点もポイントです。

理由は、私たちユーザーから集めたデータです。
データを何にどう使うかは、データセンター設置国の法律に従います。EUならEUの法律、中国なら中国。

トレンドマイクロも、世界中にデータセンターがあります。
Androidアプリに関するデータはアメリカ、Mac用は米国、日本、フランス…などなど。

日本人のデータは日本国内に置く。じゃないのです。

データセンターが日本にない以上、万が一何かあっても、日本政府じゃどうすることもできません。

これがトレンドマイクロを国産と言いづらい理由です。

2021年 LINEのデータ中国送信問題を覚えてますか

LINEのデータが中国に送られている、という問題が日本国内で急に騒がれました。「中国にデータがあると、盗まれたり悪用される可能性がある!」とか何とか。

LINEのプライバシーポリシーには元々第3者提供に関する内容が小さく書かれてましたが、分かりづらかったということでLINEは謝罪。

結局、LINEのデータは中国から日本国内のデータセンターに完全移行しました。

ZEROスーパーセキュリティの盾は借り物

ZEROスーパーセキュリティは国産ではない

ソースネクスト社は日本に本社を置く純日本の会社です。
永久ライセンスで有名なセキュリティソフト、ZEROスーパーセキュリティを開発・販売する会社です。

このZEROスーパーセキュリティ、実は別のセキュリティソフトであるBitDefender(ルーマニア)のエンジンが採用されてます。

BitDefenderとは、ルーマニアのSOFTWIN社が販売するセキュリティソフト。

AV-TESTやAV-Comparativeといった権威ある第3者機関から最高峰の評価を獲得。

高性能ソフトであることが特徴です。

採用と言いましたが、BitDefenderからエンジンを借りているような状態といった方が正しい。

問題は、借り物であるウイルススキャンのプログラムは、ソースネクスト社でコントロールできないことです。

例えるなら、ゲームの剣と盾。剣は自分の物なのに盾は他の人から借りているような状態です。

剣は自分の物なのに盾は他の人から借りているような状態

借りてる身なので、急に盾を返せと言われたり、「コスト削減のため盾薄くするわ~弾貫通したらごめんな~」みたいなことになっても、何にもできません。嫌なら使うな。で終わりです。

急にBitDefender側の気分が変わって個人データを収集し始めても、Noと言えません。
嫌なら使うな、です。BitDefenderの仕様も、やはりルーマニア・EU圏の法が優先されるのです。

これが、ソースネクスト社の製品を国産とは言いづらい理由です。

純日本製のセキュリティソフトは別物

純日本製のセキュリティソフトは別物

FFRI社のyaraiやハミングヘッズなど、国産のセキュリティソフトもあります。が、残念ながら総合セキュリティソフトではありません。

標準のMicrosoft Defenderを補完するソフトといったイメージです。ノートンやウイルスバスターのような多機能ソフトとは違います。

また、第3者機関のテストに参加していないので、実力も客観的に評価できませんし、個人が通常使うパソコン向けではありません。

逆に、やめた方がいいセキュリティソフトは?

やめた方がいいセキュリティソフト

カスペルスキーがダメなら、上図のソフトもやめた方がいいでしょう。東寄りだからです。

セキュリティソフトは多くの種類があり、自由に選べます。

あえてリスクを冒して選ぶこと無いので。

なお、念のため断っておきますが、ロシア製のカスペルスキーが完全にクロという証拠はありません。

⇒【危険な証拠なし】ロシア製カスペルスキーの危険性

まとめ(個人的なおすすめ)

純国産のセキュリティソフトは無い。みんな多国籍セキュリティソフトである。
という内容でした。

「日本製セキュリティソフトを探しに来たのに!じゃあ何を選べばいいのよ?」となると思います。

国産が無い以上、日本製は割り切るしかないです。

せめて西側アメリカに源流を持つソフトでいえば、ノートンとマカフィーが代表的なので、どちらかに絞るのも良いでしょう。

各セキュリティソフトの詳細は、【もう迷わない!】パソコンのセキュリティソフト選びで詳しく解説しています。是非参考にしてください。

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