2022年ウクライナ情勢で、カスペルスキーの危険性が話題です。
カスペルスキーは、高い性能とリーズナブルな価格から、世界での利用者は4億人と言われています。
「カスペルスキーって危険なの?」
「カスペルスキーに代替できるおすすめセキュリティソフトは?」
本記事は、このような疑問にお答えします。
- カスペルスキーが危険である証拠はない
- セキュリティソフトの国籍まとめ
- カスペルスキーをやめる(アンインストール)方法
- カスペルスキーに代わるおすすめセキュリティソフト
ロシア製のカスペルスキーが危険である証拠はない
カスペルスキーの危険性は本当なのでしょうか?
結論。
当サイトで調べた限り、危険であるという証拠はありません。
個人利用の場合、カスペルスキーは削除した方がいい?
「カスペルスキーをアンインストールしたほうがいいの?」と心配な方もいるのではないでしょうか。
しかし、前述のとおり、当サイトで調べた限り、危険であるという証拠はありません。
危険な証拠がない以上、削除すべきかどうかは、結局個人や組織の判断に委ねられます。
- 気になって夜も眠れない、仕事にならない⇒アンインストールすべき
- PCには大事な情報保存してないからOK、お金がもったいない⇒そのままでOK
あなたが国やインフラ等の重要な仕事に就いていたり、機密情報を持っていない限り、ハッカーが狙ってくる可能性は低いでしょうが、絶対に大丈夫とも言い切れません。
少なくとも、このカスペルスキーの危険性に関する話題が心配になる人は、買い替えを検討しても良いと思います。
米国(アメリカ)、英国、ドイツでは市場製品排除の動き
カスペルスキーに関する各国の対応状況をまとめます。
結論としては、カスペルスキーは米国、英国、ドイツで使用禁止の圧力を受けています。
ポイントは
- 2017年米国および英国にて、カスペルスキー製品を政府機関調達から排除
- 2022年米国で、政府拠出の補助金を使ったカスペルスキー製品の購入を禁止
- 2022年ドイツで、政府機関が様々な組織に対し購入を控えるよう警告(明確に「禁止」した訳ではない)
米国政府は、ロシア政府の活動にKaspersky製品が利用されたとの見方から、同年12月に、政府機関におけるKaspersky製品の使用禁止を決定する事態に至っている
セキュリティの信頼関係が失われる–カスペルスキーCEOが語った懸念 – ZDNet Japan
当局はカスペルスキーの使用を明確に禁止したわけではないが、ドイツのさまざまな組織に対し、モスクワに本社を置く同社製の製品を、ロシア以外のベンダーの代替ソフトウェアに変えるよう促した。
ドイツがカスペルスキーの利用を控えるよう警告、ロシアの侵攻で「相当程度」のサイバーリスク | TechCrunch Japan
日本でもNTTグループや自治体でカスペルスキーの使用禁止を検討
日本政府としては、カスペルスキーの名指し排除はしていません。
しかし、巨大グループ企業である「NTT」では、カスペルスキーの使用中止を検討しています。
NTTは、2017年にカスペルスキー社とパートナー契約を結んでいましたが、白紙撤回となりそうです。
これから、というタイミングでとても残念です。
大阪府豊中市でも、5年以上カスペルスキーを使っていたようですが、見直しを検討するようです。
疑いの発端は2017年の米国トランプ政権時代
カスペルスキーと米国の関係の悪さは、元々2017年トランプ政権時代に始まったことです。
ポイントは
- 2017年アメリカ大統領選挙でロシアからのサイバー攻撃にカスペルスキーが使われた可能性があると米国政府組織が公表したことが疑惑の発端
- 疑惑に対する公聴会が開かれたが、発端となったいくつかの証言は匿名によるもので裏が取れておらず、何も明らかになることはなかった
- カスペルスキー社は、証拠が無いまま市場から排除されたことに反発し提訴
ロシア政府が同社の製品を使って米国のコンピューターネットワークに攻撃を加えているのではないかとの懸念が浮上している。
露カスペルスキー製ソフトウエアに懸念、米情報当局が調査 | ロイター (reuters.com)
Kaspersky氏は、9月27日に予定され、10月25日まで延期された公聴会での議会への証言要請を受け入れた。だが、同氏への証言要請は予告なく取り消された。25日の公聴会には同社からは誰も証言に立たなかった。
カスペルスキーはいかにして米政府の機嫌を損ねたか – (page 3) – CNET Japan
カスペルスキー社(日本法人含む)は明確に疑惑を否定
疑惑を受けたカスペルスキーの対応をまとめます。
カスペルスキー社は2017年、2022年の疑惑を否定する声明を出しています。
当然、カスペルスキー日本法人も疑惑を否定しています。
同社は潔白であることを示すため、透明性向上に関する取り組みも力を入れてきました。
- 監査法人にソースコード開示
- データセンターを中立国であるスイスに移す、など
カスペルスキー社も色々と頑張っていますが、無いものを無いと証明することはできません。
相手が米国政府である以上「証拠不十分で不起訴(完)」ともなりません。
ネチネチとこれからも西側諸国の嫌がらせが続くのでしょう。
利用者の信頼を取り戻しつつあった中で、2022年の逆風は残念でなりません。
セキュリティソフトの国(国籍)まとめ
セキュリティソフトを選ぶ際の参考として、製品の国(国籍)を以下にまとめました。
ロシア製カスペルスキーの件をきっかけに、セキュリティソフトの国(国籍)が重要視されるようになりました。
今後は、セキュリティソフトに限らず、どの国の製品なのかも考慮して選ぶことが増えそうです。
メーカー | 国 |
---|---|
トレンドマイクロ | 日本 |
ソースネクスト | 日本 |
マイクロソフト | アメリカ合衆国 |
ノートンライフロック | アメリカ合衆国 |
McAfee | アメリカ合衆国 |
Malwarebytes | アメリカ合衆国 |
VIPRE | アメリカ合衆国 |
total defence | アメリカ合衆国 |
TOTAL AV | イギリス |
メーカー | 国 |
---|---|
Panda | スペイン |
Avira | ドイツ |
GDATA | ドイツ |
Avast | チェコ共和国 |
ESET | スロバキア共和国 |
Bitdefender | ルーマニア |
カスペルスキー | ロシア連邦 |
KINGSOFT | 中国 |
K7Computing | インド |
2022年ロシア情勢では、NATOと非NATOによる対立構造が鮮明になっています。
上図は、NATOに加盟する国を「NATO」(青枠)、東側諸国を「東」(赤枠)で囲っています。
秀逸なセキュリティソフトは、アメリカ合衆国と東ヨーロッパに多いことが分かります。
冷戦などの地政学的な要因でセキュリティソフト技術が発展してきたのかもしれません。
ロシア製カスペルスキーに代わるおすすめセキュリティソフト
「カスペルスキーは消したい。その代わりに、どのセキュリティソフトを選べばいいの?」
という方には、国産を。
と言いたいところですが、国産の総合セキュリティソフトはありません。
今のセキュリティソフト会社は、ほとんどが多国籍企業。唯一国で開発することは、ほとんどありません。
そこで、国産が無い以上、せめて、西側諸国に本社を置くソフトで探すのはいかがでしょうか。
アメリカ本社の総合セキュリティソフトだと、まずノートンとマカフィー。
どちらも世界中にシェアを持ち日本語版も歴史があります。
ウイルスバスターも、日本に本社を置く有名企業です。
上記3社は、第3者評価機関からも高い評価を継続して得ているため、オススメできるソフトです。
詳しい情報は、以下のまとめページを参照してください。
⇒【もう迷わない!】パソコンのセキュリティソフト選び
ロシア製カスペルスキーをやめる方法(アンインストール・削除)
「ロシア製カスペルスキーをとりあえず削除したい」とお考えなら、以下のサイトが参考になります。
上記の手順で完全に削除できなかった場合、以下の削除ツールを利用すると良いでしょう。
もちろん、サポートに連絡してもOKです。
まとめ
カスペルスキーの危険性は証拠がありませんので、削除するかどうかは、個人もしくは組織で判断するしかありません。
ただ、本来ユーザーを守るはずのソフトを、不安な思いで使い続けるのも精神的に良くないです。
不安になるのは、パソコンやスマホで大事な情報を扱うからだと思いますので。
事実(fact)の点では、言い出しっぺの米国が何も証拠を出せていません。
トランプ政権時代の保護主義的政策を進めるための言いがかりとの見方が強いです。